街の本屋は絶滅危惧種か

本グルメに捧げる秘話と裏ばなし

キネマ旬報の魔力

今日も、本屋の一日は、ひと休みいただき、僕の愛読書の続きです。

岩波文庫の文庫目録(2)

六畳一間の下宿と言いましたが、その下宿、一階には大家さんが住んでおり、二階を下宿として貸していました。賄(まかな)いはありません。

部屋の数は4つあり、住人は僕の他に、大学生が一人、会社勤めの姉と弟、水商売の中年の女性が一人でした。

岩波文庫の文庫目録に飽きると、僕はたまに隣りの大学生の部屋のドアを叩くことがありました。その人は僕より二年上で、青山学院大学の学生。無類の映画ずきで、部屋の中は「キネマ旬報」で埋め尽くされていました。 

キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011 (キネマ旬報ムック)

キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011 (キネマ旬報ムック)

 

最初に、彼から誘われて彼の部屋に入った時は、積み上げられた雑誌の多さに圧倒されました。彼の部屋を訪れた時は、必ずキネマ旬報を二、三冊借用して帰るのが常でした。

そんなよるは、岩波文庫の文庫目録は脇に追いやられて、キネマ旬報に主役の座を譲ることになります。

そうでなくても夜更かしだった僕ですが、映画の雑誌を手にした時はとても寝付けませんでした。(続く)

☆本日の最多入荷書籍

「働く男(重版)」 星野源 文春文庫 

働く男 (文春文庫)

働く男 (文春文庫)

 

働きすぎのあなたへ。働かなさすぎのあなたへ。すごく変な本です。星野源本人のコメントです。 

「そして生活はつづく(重版)」 星野源 文春文庫 

そして生活はつづく (文春文庫)

そして生活はつづく (文春文庫)

 

つまらない生活をおもしろがろう。トイレか旅のお供にどうぞ。これも、星野源本人のコメントです。

かいけつゾロリの王子さまになるほうほう」 原ゆたか  ポプラ社 

かわゆいおひめさま、まっててくれよな。ニヒニヒ。

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僕の愛読書

今日は、本屋の一日は、ひと休みいただき、僕の愛読書を紹介させていただきたいと思います。最初にご紹介するのはこの本です。

 ☆岩波文庫の文庫目録

 もう、50年も前の話になります。50年と言えば二分の一世紀、書いていて自分が驚くほどの時が流れています。

貧乏学生だった僕は、読むものが無くなると、下宿の部屋で一人ラジオを聞きながら、岩波文庫の文庫目録をめくっていました。

貧乏学生だったと書きましたが、親からひと月一万五千円の仕送りを受け、六畳一間(ひとま)の下宿生活でしたから、その当時の学生とすれば、比較的裕福だったのかもしれません。

下宿先の値段というのが東京では畳一枚千円が相場だった時代です。同級生の中には、1年留年してアルバイトで学費を稼ぎ、1年勉学に勤(いそ)しんだ後再びアルバイトに戻り翌年学校で学び、結局八年掛かりで卒業に漕ぎ着けたという強者(つわもの)もいました。

当時の日本は、あの敗戦から18年、東海道新幹線の開通と、東京オリンピックを目前に控えて経済は登り坂にあったとはいえ、今の日本から較べれば、まだまだ日本全体が貧しかったに違いないのです。

当時、文庫と言えば岩波文庫と角川文庫しか無かったと記憶していますが、記憶が曖昧です。

岩波文庫は洋の東西の、古典と名作を網羅しており、それらの書物の梗概(あらすじ)を読むだけで時が過ぎて行きました。(続く) 

 ☆本日の最多入荷書籍

 「いまさら翼といわれても」 米澤穂信 KADOKAWA 

いまさら翼といわれても

いまさら翼といわれても

 

 古典部シリーズ最新作!だれもが「大人」になるため、挑まなければいけない謎がある。不動のベスト青春ミステリー!

 「発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由」 栗原類  KADOKAWA

発達障害の僕が 輝ける場所を みつけられた理由

発達障害の僕が 輝ける場所を みつけられた理由

 

類くんは、めちゃ素直で、まっすぐで、そこが面白い。又吉直樹氏推薦。

 

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嘘はいけませんよ。

本屋の一日(番外編2):ファックスー2

平均で35通あるファックスのうち、生き残る5通ほどのファックスの正体は、版元からの重版情報です。

すべての書店に、すべての新刊本が配本されてくる訳ではありません。また、配本されたとしても1冊だけの配本であることも多々あります。

1冊だけの配本しかない本が売れたとしても、その本がもっともっと売れる本なのか、たまたま入った本が売れただけなのか、それを見極めるのは至難の技です。ましてや、配本されてもいない本がよく売れる本かどうか、分かるはずもりませんよね。

そんな場合、版元からのファックス重版情報が役に立つのです。何回重版しているのか、刷り部数は全部でいくらなのか、これ等を参考に注文するかどうかを決めます。

一方で、「発売即重版!」とか言う文句に踊らされて注文して、いざ商品が来てみると、随分前に出版された本で、重版など一度もされてない場合もあります。

版元情報の信憑性には注意を払う必要があります。版元さん、嘘はいけませんよ。

☆本日の最多入荷書籍

「雪煙チェイス」 東野圭吾 実業之日本社

雪煙チェイス (実業之日本社文庫)

雪煙チェイス (実業之日本社文庫)

 

 

「首折り男のための協奏曲」 伊坂幸太郎 新潮社 

首折り男のための協奏曲 (新潮文庫)

首折り男のための協奏曲 (新潮文庫)

 

 

「すえずえ」 畠中恵 新潮社 

すえずえ (新潮文庫)

すえずえ (新潮文庫)

 

 

ハリー・ポッターと呪いの子(重版)」 

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【Amazon.co.jp限定】 ホグワーツMAP付き ハリー・ポッターと呪いの子 第一部、第二部 特別リハーサル版 (ハリー・ポッターシリーズ)

 

 

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360°? 180°では?

本屋の一日(番外編1):ファックスー1

一日に入信するファックスの数は、統計をとった訳ではないので正確には分からないのですが、感覚的にいうのを許していただけるなら、その数は平均で35通、すなわち30から40のあいだだと思います。

日曜日などは、0のときもあるのですが、過去の最大値は60を越えたこともあり、平均で35通というのは当たらずとも遠からずという数値だと思います。

ファックスの発信者の95%以上が出版社、いわゆる版元(本の豆知識1)です。残りの5%のほとんどが、取り次ぎ(本の豆知識2)です。

後はと言えば、多い順に、見ず知らずの金融業者(まさかヤミ金ではないでしょうが)からの融資案内。危ない、危ない、君子ではありませんが、危うきに近寄らずが賢明と心得ております。

そのつぎは、再生トナーの宣伝、中古自動車の売買情報くらいでしょうか。

版元からのファックスは、新刊の事前情報、既刊本の重版(本の豆知識3)情報がほとんどです。そのうち、当店にとって必要と思えるものは、多くて1日5本、日によっては0のこともあります。版元の皆さん、ごめんなさい!

入信したファックスのうち、実に8割以上がボツになるわけです。

さて、以前使っていたファックス機は感光紙タイプだったので受信すると要不用にかかわらず直ちに印刷されていたので、8割以上が感光紙を浪費していたことになります。

しかし、今使用している機種は、液晶のディスプレイを見て、必要なファックスだけを印刷できるものなので、無駄が無くなりました。

【本の豆知識1:版元】

雑誌・書籍の出「版元」、出版社。江戸時代には、書物、瓦版、浮世絵などの出版元。伝統ある名前なのだから自負を持って頑張って下さい。

【本の豆知識2:取り次ぎ】

雑誌・書籍の卸売業者。 

日本書籍販売株式会社(通称、ニッパン)

トーハン株式会社(旧、東京書籍販売株式)

上記二社が大手であるが、常々自らのことを「取り次ぎ」と呼ぶには何らかの理由があると思われる。それについては、後々触れることがあると思いますが、この呼び名は、いかにも腰が引けて聞こえるのは僕だけでしようか。

【本の豆知識3:重版】

読んで字の如く、版を重ねること。新聞の広告などで、「重版出来」の文字を見ることがあります。「じゅうはんでき」と読むのだとばかり思っていたのですが、正しくは「じゅうはんしゅったい」だそうで、多いに恥じ入りました。

 

☆本日の最多入荷書籍

 「コンビニ人間(重版)」 村田沙耶香 文藝春秋 

コンビニ人間

コンビニ人間

 

成田屋の食卓(重版)」 堀越希実子 世界文化社 

成田屋の食卓

成田屋の食卓

 

 市川団十郎海老蔵が好んで食べた料理を春夏秋冬の季節によせて綴ったもの。

 

「夢の360゜開脚を叶える本」 監修 芹澤宏治 えい出版社  

えっ?180°ではなく、360°ですか? それでは、元に戻るのでは? えっ?読めば分かる? そうですか・・・

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本日のおすすめ本はすごい

本屋の一日(7)

雑誌の場合は、不定期のムック誌や増刊号を除いては、基本的には定期的な刊行物ですから古い号が残っている場合はそのまま返品すればよく、スペースを確保するために頭を悩ますこともありません。

さらに、雑誌はその種類も限られていますが、書籍の場合は、不定期の刊行物であるとともに、種類も多岐に亘(わた)ります。

従って、書籍の荷出しには、雑誌の荷出しの数倍の時間が掛かります。しかし、それを毎日毎日やり遂げるのが本屋の仕事なのです。すべての商品を出し終えた時の気分は、「やったあー」というよりも、「やれやれ、やっと終わった」というほうが当たっているような気がします。

これが、本屋の一日の大雑把な様子です。今日は日曜日なので本の入荷はありません。

☆本日のおすすめ本

 「作る!超リアルなジオラマ」材料探しから作品発信まで完全マスター

情景師アラーキー 誠文堂新光社 

 「これ、どうやって作ったの?」そんなふうに思ったあなたと思わせてみたいあなたへ 

この本に登場するミニチュアの情景は次の8種類です。

 ①カブトムシ

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②港の片隅で

③アテンション

④わが街の不動産

⑤西瓜の夏

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⑥やきいも

⑦トタン壁の造船所

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⑧オール・イン・ザ・ボックス

いずれ劣らぬ力作、傑作ですが中でも心を惹(ひ)かれた作品を紹介しました。材料の集めかたから、制作に用いる道具、最終的には作品の見せ方、写真の撮り方まで、懇切丁寧に説明してあります。

時間があれば挑戦してみたいですね。いや、時間を作って是非挑戦!

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雑誌の次は?

本屋の一日(6)

雑誌を出し終えると開店です。と、言いたいところですが、その前に、まだやるべきことがあります。

床の掃き掃除、拭き掃除を行います。釣り銭をレジに準備します。

店内の照明を点けます。BGMを流します。棚の最終チェックを行い、鱗展示の所も、鱗を調え見やすくします。これで準備完了です。

雑誌のあとは書籍です。

新刊と、注文した書籍が段ボールに詰められて入荷しています。まず、入荷数の多い新刊から出していきます。平台(本の豆知識参照)も棚も既に一杯なので、スペースを確保する必要があります。

平積み(本の豆知識参照)されている商品のうち、動きの良くないものを外したり、冊数を減らし棚に差していきます。そうしてできたスペースに新しい平積み商品を置きます。

入荷数が比較的少ない商品は、棚に面出し(本の豆知識参照)します。冊数の少ない商品は棚さしです。棚から外す商品は本の奥付け(本の豆知識参照)を見て決めます。ひと月以上前の奥付けの商品は動きの良くないものですから、返品にまわします。

【本の豆知識】

☆平台(ひらだい):読んで字のごとく平らな台で、複数の同じ本を積んで展示します。

☆平積(ひらづ)み:複数の同じ本を積み展示することです。

☆面出(めんだ)し:本の表紙を見せて棚に展示することです。

☆奥付(おくづ)け:書籍の末尾の書名、発行日、著者、出版社などを記載したものです。重版情報も見ることができます。

 

☆本日の最多入荷書籍

”黒い巨塔” 最高裁判所(重版) 瀬木比呂志 講談社

黒い巨塔 最高裁判所

いまはじめて暴かれる最高裁の闇 元エリート裁判官が描く本格的権力小説 

 <関連本>

”絶望の裁判所” 瀬木比呂志 講談社現代新書

絶望の裁判所 (講談社現代新書)

"ニッポンの裁判"   瀬木比呂志  講談社現代新書

ニッポンの裁判 (講談社現代新書)

 

"Beams at Home 3"  日本を代表するおしゃれクリエーター集団とビームスタッフの「暮らし」と「服」  宝島社

BEAMS AT HOME 3

累計16万部の人気シリーズ第3作 

<関連本>

Beams at Home”

BEAMS AT HOME~日本を代表するおしゃれクリエイター集団ビームススタッフの「暮らし」と「服」

Beams at Home2”

BEAMS AT HOME 2

三冊ともに、たっぷり読みごたえありです。

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「逃げ恥じ」にでた本は?

本屋の一日(5)

鱗表紙で困るのは、本のタイトルが右詰めのもの、

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その例の最たるものがCG(カー・グラフィック)という雑誌です。

CG 2016年 12 月号 [雑誌]

この雑誌、フルフェイス展示するか、鱗展示する場合は棚の右端に展示しない限り表紙のCGの二文字が陽の目を見ないのです。

ただ、CG(カー・グラフィック)を除いては主要雑誌の表紙は、左端から右へとタイトルが表示されるので、表紙の左端を見せていけば本のタイトルの出だしは少なくとも見て貰うことができます。

話しは変わりますが、アラブ諸国では、日本とは反対のことが起こるはずです。なぜなら、アラビア語は右から左へと綴りますから。

そう言えば昔の日本も、縦書き、横書きを問わず右から左へと書いていました。ただその頃は出版物も少く、なんら問題にならなかったでしょう。

☆MHZ-BrakingNews☆(Machino Honyaha Zetsumetsu kigushu ka)

☆今日の注目本 

 「数独通信」ニコリ

パズル通信ニコリ別冊 数独通信Vol.31

人気テレビドラマ「逃げるは恥だが得になる」の中で星野源扮する主人公平匡が書店で購入し、次から次へと問題を解いていくシーンが印象的。

☆本日の最多入荷書籍

”君の名は” 新海誠 角川つばさ文庫(重版)

小説 君の名は。 (角川文庫)

  

"And so this is Xmas"  秦建日子 河出書房新社

And so this is Xmas

「アンフェア」シリーズの作家が放つノンストップのクライムサスペンス。

 

"対訳トランプ演説集"  生声CD&電子書籍版付き CNN English Express

[音声データ付き][対訳]トランプ演説集

あのトランプのハチャメチャ発言が肉声で聞けます。

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