さあ、開店です(ブックフォーラム本山10)
開店です。
店長は妻です。商売は全くの素人(しろうと)です。
幸いなことに、妻の妹が手伝ってくれることになりました。大いに助かります。彼女も、もちろん、商売は全くの素人ですが、心強い味方です。午前中、午後の日の高いうちは極めて暇でした。
ところが、夕方の帰宅時刻になってからです。上りと下りの電車が駅に着いて、改札口から続々と通勤帰りの人が出てきます。狭い店の中が一杯になります。レジを待つ人が並んでいます。
すごいやんか。あれ?だれやろ。店の前で頭を下げている人がいます。見覚えのある顔です。
ああ、思い出した。
先日、工藤部長に連れられてキクヤ図書販売の本社を訪ねて挨拶をした新居社長です。
「盛況ですね」と、新居社長。
ただ、初日は、二日目以降の2倍のを売り上げるとのことです。なんや、そう言うことか。
ただの、ぬか喜びやったんか。やっぱり、儲からんということやろうか?それとも、小遣い程度は稼げるんやろか?
後で分かったことなのですが、この駅前の物件を僕が持ち込む前に、冨士経営はここを既に調査しており、その結果、不合格の烙印を捺(お)していたらしいのです。
自分では書店はやらんけど、他人がやる分には、取り次ぎとして利益が出るかどうかが判断基準となるんやろか。
ひどいような気がするが、まあ、この世の中、こんなもんなんかなあ。それにしても明日からが心配やなあ。
☆本日のお薦め本
「おもしろい!進化の不思議 ざんねんないきもの事典」今泉忠明、下間文恵、徳永明子、かわむらふゆみ 高橋書店
ダチョウは脳みそが目玉より小さい。カツオは興奮すると、シマシマの向きが変わる。ウシは1日に180リットルのよだれを出す
第1章、進化の話
第2章、ざんねんな体
第3章、ざんねんな生き方
第4章、ざんねんな能力
「ワインは楽しい!」 オフェリー・ネマン、ヤニス・ヴァルツィコス、河清美 パイインターナショナル
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マガジン?ブック?(ブックフォーラム本山9)
「マガジンフォーラム本山はいかがですか?」工藤部長からの提案です。
「今、我社でフォーラムという名前でチェーン店展開しています。大型店舗はブックフォーラム、小型店舗はマガジンフォーラムという名前で展開しています。もしよければマガジンフォーラム本山で?」
うーん、マガジンフォーラムですか。なんか、安っぽいかな。僕が黙って考えていると、
「ブックフォーラム本山でもいいですが」それ、ええやんか。
《ブックフォーラム本山》「それに決めます」決まりました。
内装工事も順調です。
アルバイト募集のはり紙を見て、甲南女子大学の学生が応募して来てくれました。開店が三日後に迫りました。商品が次から次へと運び込まれます。棚がどんどん本で埋まっていきます。
店の中を覗いていく人がいます。
「本屋ができるんか」と、言いながら通り過ぎて行く人も多くいます。
指導員の人も来てくれました。もともと、三ノ宮の地下街にあったR書房で働いていた人で、大ベテランです。話好きで話始めたら止まりません。何か質問すれば答えてくれますが、それ以外はのべつまくなしに喋りどうしです。
いよいよ、開店が翌日に迫りました。電車が駅に着く度に人が吐き出されてきます。店の中へ入ってくる人が結構います。その度に、明日がオープンですからと、断らなければ行けません。
さあ、明日はいよいよ開店です。(続く)
☆本日の最多入荷書籍
「世界のエリートがやっている最高の休息法」久賀谷亮 ダイヤモンド社
世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる
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「聞くだけで自律神経が整うCDブック」小林弘幸、大矢たけはる アスコム
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ええ名前ないかなぁ。(ブックフォーラム本山8)
ひとつ気になることがあります。
二人の名刺が、キクヤ図書販売ではなく、冨士経営株式会社となっているのです。(ま、いいか)
「開店準備から、開店後の運営まですべて指導させていただきます。最初のひと月は人を一人張り付けます」
「費用はどれくらい掛かりますか」
「費用はいただきません。全部、サービスです。無料です」
なんだか、話がうますぎるように思いましたが、ともかく、右も左も分からない本屋の開店準備をすべて教えて貰えるというのは、極めて有り難い話でした。
すべての不安が払拭(ふっしょく)された訳ではありませんが、前に進むことに決めました。
翌日、契約書を渡されました。保証金百万円を預託する旨が書かれています。まあ、そんなものかなと思い受け取りました。
いよいよ不動産業者に電話連絡を取りました。物件は、パールマンション。後で分かったことなのですが、マンションのオーナーが真珠会社の社長でした。(意外と単純な選択の名前です)
賃貸契約は、何の問題もなくスムーズに進みました。
「内装業者も紹介します」田中さんから姫路の織田さんという方を紹介してもらいました。織田さん自身書店を経営した経験の持ち主でした。
「名前はどうされますか」
店の名前です。本山書店、本山書房、本山堂、本山ブックス。
どれも、しっくりきません。なんか、ええ名前ないかなぁ。(続く)
☆本日の最多入荷書籍
「京都寺町三条のホームズ(6)」 望月麻衣 双葉社
「イラスト版話し方を変えると「いいこと」がいっぱい起こる!」 植西聰 三笠書房
「前からも後ろからもキレイがあふれる 美髪のルール」 寺村優太 ディスカヴァー・トゥエンティワン
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決めました(ブックフォーラム本山7)
「この際だから、正直にお話しますが」と、こちらから切り出しました。実は、昨日大阪屋を訪れたことを正直に話しました。
そして、駅の北側の本屋、甲南堂に仁義を切らねばならないと言われたこと、儲からないと言われたことを話しました。
真面目な顔で聞いていた二人のうち、田中さんが「甲南堂さんに、挨拶していただく必要はありません。この業界は自由競争ですから、どこへ出店しようと問題ありません」工藤部長も黙って頷いています。
「小遣い程度は稼げます」ポツリと工藤部長が言いました。工藤部長から笑顔が消えて口が心持ち歪(ゆが)んでいます。
余り儲からないというのが、大阪屋の見解、小遣い程度は稼げるというのが、キクヤ図書販売の見解。
考えようによっては、同じことを言っているように思えます。同じことを表から見ているか、裏から見ているかの違いだけのことなのかも知れません。しかし、儲かるか儲からないかは、天と地ほどの違いがあります。
決めました。キクヤ図書販売に。(続く)
☆トーハン週間ベスト:トーハンPOS-NETシステムによる週間ベスト・セラー
☆えんとつ町のプペル にしのあきひろ 幻冬舎
☆見てる、知ってる、考えてる 中島芭旺 サンマーク出版
☆100歳の精神科医がみつけた こころの匙加減 高橋幸枝 飛鳥新社
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男が廃(すた)る?(ブックフォーラム本山6)
疲れました。
大阪屋での短い時間でしたが、ジャブを続けざまに顔面と腹部に打たれたように気力が萎(な)えてしまいました。
もう、やめにしようかと思いましたが・・・
ここで挫(くじけ)たら男が廃(すた)る。(えっ?そんなもの、とうの昔にすたっとる?ほっといて下さい)今は、初志貫徹あるのみです。
気を取り直して、というか、気が変わらないその日のうちにキクヤ図書販売に電話しました。
その結果、翌日の夕方にJR摂津本山駅の南出口で担当の人と会うことになりました。約束の時刻に約束の場所で待っていると、30台半ばのサラリーマン風の男性が二人現れました。
お互いに名乗りあった後に、問題の物件を確認しました。
「我々のことは、どうやってお知りになりました?」
部長の工藤さんから質問されました。隠しだてをすることでもないので、中小企業相談室で教えて貰ったと答えました。
「本屋は初めてですか」全くの初めてで、何も分からないと正直に答えました。
工藤部長と田中さんは、二人共に、うんうんと納得したように笑っています。「我社は、本屋開業のノウハウを一から十まで懇切丁寧にお教えします」田中さんが初めて口を開きました。
「それが我々の最大のセールスポイントです」工藤部長のフォローがありました。
『一から十まで教えてくれるなら助かるなあ』これが、僕の偽らざる本心でした。(続く
☆本日の最多入荷書籍
「で、ほんとはどうしたいの?」 岡田哲也 ワニブックス
『サラバ!』(直木賞受章)から2年、西加奈子が全身全霊で現代(いま)に挑む衝撃作
「三鬼 三島屋変調百物語」(再入荷) 宮部みゆき 日本経済新聞社
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本屋の仁義とは!(ブックフォーラム本山5)
大阪屋へ来ました。
JR兵庫駅で降りて東へ(三ノ宮のほうへ)戻ったところです。ひょろ長いというか、細長いビルの5階に通されました。周りは乱雑(僕にはそう見えました)に積み上げられた本の山です。
小さなテーブルを挟んで、担当の方と向かい合っています。訪ねてきた目的を掻い摘まんで説明しました。相手は首を傾(かし)げています。
「本山駅の北側に、甲南堂という書店があるのを知っていますか」もちろん、知っていますと答えると、
「それなら話が早い。甲南堂さんはうちのお得意さんです。仁義を切って貰わないと困ります」
えっ?仁義を切る?まるでヤクザやな。
線路2本(正しくは、複線ではなく複複線なので、4本、いや、4×2本=8本、そんなことどうでもええ?いや、細かいことが気になる性格なものですから・・・、どこかで聞いた台詞(せりふ)やって?まあ気にせんといて下さい)
ともかく、JR摂津本山駅のすぐ北側と、すぐ南側で30メートルしか離れていないのだから、きちんと挨拶に行って貰わないと困ると言われました。
そして、最後に強烈な一言。「あんまり、儲かるとは思えませんよ」
嫌なことばっかり言う奴やなぁ。(続く)
☆当店のオリジナル・ベスト・セラー
【Amazon.co.jp限定】 ホグワーツMAP付き ハリー・ポッターと呪いの子 第一部、第二部 特別リハーサル版 (ハリー・ポッターシリーズ)
「勇気は、一瞬、後悔は、一生」 0号室 ベストセラーズ
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どっちの問屋?
相談員の質問に、「JR摂津本山の駅前で、10坪足らずです」と答えると、「場所はよさそうだが、10坪とはずいぶん狭い」との指摘です。
「全国平均は、えーと」と、眼鏡を持ち上げて手元の資料を見ながら、35坪だと教えてくれました。
「平均の3分の1さえないなぁ」と、ぼんやり考えていました。すると、この規模の店ならと、問屋を2社紹介してくれました。
☆大阪屋
☆キクヤ図書販売
大阪屋はともかく、キクヤ図書販売とは、ダサい名前やなぁ。「まず、大阪屋へ行ってみられたらどうですか?」そう言われて、(なぜか?)ほっと胸を撫で下ろした僕でした。
電話番号も教えて貰ったので、近いうちに連絡してみることに決めました。さあ、どうなるかな?
☆本日の最多入荷書籍
「このミステリーがすごい!2017年版」 宝島社
「またたび」 菊池亜希子 宝島社
「熊と踊れ(上、下)(重版)」 アンデシュ・ルースルンド、ステファン・トゥンベリ、ヘレンハルメ美穂、羽根由 早川書房
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このミステリーがすごい! 第1位、このミステリーが読みたい!第1位
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