返品今昔物語
本屋の一日(7)
一昔前ならば、返品といえば、一品一品書名と価格と冊数を書いた返品伝票を作成し、その伝票を商品と共に段ボール箱に詰め込む作業でした。
しかし、今は取り次ぎでの業務の自動化・機械化が進み、返品された本のコードナンバーを自動的に機械で読み取って処理するので各々の書店が返品伝票を起票する手間が省け、返品作業は飛躍的に簡略化されました。
段ボール箱には書店名と、中味が一般書か文庫・新書かが識別できるシールが貼られ取り次ぎにより持ち帰られます。
ここで、新たな問題がひとつ発生しました。
返品作業に用いる段ボール箱は、商品が送られて来るときに使われていたものを再利用するわけですが、最近は、商品を送って来るときに使われている段ボール箱が小さいのです。
これには訳があって、従来は商品が相当量溜まるまで待ってから纏めて大きな段ボール箱に詰めて出荷していたのを、ある時期から、ある程度の商品が纏まれば、それが小口であってもサイズの小さい箱で出荷するようになったのです。
書店側としては、注文した商品が短納期で入荷するのですから、何の不服もありません。それどころか、非常に有り難い話です。
ただ問題は小さい箱ばかりが貯まって、返品に用いる大きな段ボールが手に入り難くなってしまったのです。しかし、それは取り次ぎに頼んで何とか大きな段ボールを入手することで切り抜けています。
本の雑学
(1)文庫本のサイズ
規格があってすべての文庫が同じ寸法だと思っている、あなた、それは違いますよ。とは言うものの、基本的にはA6サイズで105㎜Х148.5㎜
実測してみると
新潮文庫、講談社文庫、文春文庫、角川文庫ほか:幅106㎜×高さ152㎜
幻冬舎文庫:幅102㎜х高さ152㎜
ハヤカワ文庫:幅106㎜х高さ158㎜
主流は幅106㎜х高さ152㎜ですが、微妙に寸法が違うものがあります。
ハヤカワ文庫は高さが6㎜高い。数年前までは、他の文庫と同じ高さだったのですが、活字を大きくするための変更だったと記憶しています。
幻冬舎文庫は最初からこのサイズなのですが、他の文庫より幅が狭い理由は分かりません。どうしてなんですか、幻冬舎の担当者の方、教えてくださーい。
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